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ツマラナイっ
つまらない。詰まらないったら詰まらない!
だって、妹子がいないし、竹中さんだって家族に会いに行くとか行って留守だし、馬子さんも相手してくれないし(当たり前だけど)、調子丸も具合悪いみたいだし……。揃いも揃って私の相手をしてくれない!
しょうがない、と一言ですむことじゃないんだ。誰かが一緒に遊んでくれれば仕事も捗るし、其れにお楽しみっていうのも増えるのだ。
「あー、妹子ぉーーーーーっ」
彼女の名前を叫んでしまうのは何故だろう。
しかも、とっさに思い浮かぶのはいつも妹子である。
最近、顔をあわせると不思議な、何だか居心地が悪い気持ちに陥るし……。
ムシャクシャしたので、山盛りになっている書類をそこら辺にぶちまけてみた。別に、いい。此処に来るのは私と妹子と馬子さんくらいだ。この位の片づけなら、妹子に任してしまおう。だって、あいつは私の命令には逆らえない宿命にあるのだから。
でも、ムシャクシャとか蟠りは消えない。如何したものか。
自分でばら撒いた書類なのに、またしてもそれらを見てると憤りを感じてくる。あー、暴れてみたいとかなんて思ったりもしている。摂政だから少しの我儘も許してくれる……筈が無い。
あー、早く誰か来てくれっ!
そう神様に祈っているとき、扉が静かに開けられた。
「失礼しまー……」
扉を開けた主とぱっちりと瞳があう。私の格好は大層おかしいもので、書類の上で跪いており、両手を組んでいるというなんとも滑稽な格好である。しかも、その主とやらは妹子。あ、やばいと思ったのも束の間、鋭い右ストレートが飛んできた。
これまた妹子で、突っ込みもこの格好に対してではなく、部屋の汚さだった。
「なんで書類ぶちまけとんじゃこらぁああああああっ!」
「おひつっ!」
今日も今日とて痛いし、怖いし、口が悪すぎる。
嗚呼、口からまた鉄の味。
苦くて苦くて、でも、暖かい。妹子の右ストレートなんか落ち着くし。
はっ、若しかして私ってマゾ?
「すみません、太子。勢い余って右ストレートぶちかましちゃいました。でも、太子が悪いんですよ。こんなに書類ぶちまけて」
久しぶりに見る、赤いノースリーブのジャージ。何時も仕事中は正装だというのに今日はどんな気変わりなのだろう。私はそればかり気になって仕方なかった。
「……話聞いてますか」
「あ、うん、聞いてる聞いてる」
「まあ、いいです。金輪際こんなことなければ」
すまし顔をしているが、何だかんだいって片づけを手伝ってくれている。甘いんやらやさしいやら、分からないがまあ、助かる。
「あ、そうです。太子」
「なんだ芋」
「芋じゃないですってば! ……気を取り直して、お客さんが来てましたよ」
「え、美人さん?」
眼を輝かせて聞くと、妹子は複雑そうな顔をして「ええ」と低くつぶやいた。そして、また無理やり笑みを浮かべると、書類にまた手を伸ばした。
「太子のこと、お気に入りらしいですよ。一目あいたいと仰られておりました」
「へー。で?」
「で? って……お会いにならないのですか?」
「ああ。だって、私にはちゃんと妹子がいるしっ」
屈託ない笑顔を浮かべ(たつもり)、私はそのまま後ろから抱きついた。寂しそうな背中と下がっている肩を見ていると、なんとも抱きつきたい衝動に駆られたのだ。殴られるのは承知の上だ。しかし、私のせいで泣かせてしまったのなら償うしかない。
殴られるかと思い身構えていると、彼女の右手は私の左手に触れた。
「有難うございます……」
「いも……」
そのままキスをしようとした。すると、彼女は行き成り右アッパーを食らわせてきた。
「調子に乗るなっ! このアワビがあああああああああっ!」
「くぬぎいいいいいいいいいいいっ!」
嗚呼、痛いけど、痛いけど、これが私の日常。
「ツマラナイ」……よりは数十倍マシ。かな?
fin
甘々たいも。
変わらずに妹子にょたいかで。
胸を触らせちゃう予定だったのですが……ヌハハってことでやめました。
太子は美人さんより可愛い子が好きだったら良い。
妹子みたいなね☆
だって、妹子がいないし、竹中さんだって家族に会いに行くとか行って留守だし、馬子さんも相手してくれないし(当たり前だけど)、調子丸も具合悪いみたいだし……。揃いも揃って私の相手をしてくれない!
しょうがない、と一言ですむことじゃないんだ。誰かが一緒に遊んでくれれば仕事も捗るし、其れにお楽しみっていうのも増えるのだ。
「あー、妹子ぉーーーーーっ」
彼女の名前を叫んでしまうのは何故だろう。
しかも、とっさに思い浮かぶのはいつも妹子である。
最近、顔をあわせると不思議な、何だか居心地が悪い気持ちに陥るし……。
ムシャクシャしたので、山盛りになっている書類をそこら辺にぶちまけてみた。別に、いい。此処に来るのは私と妹子と馬子さんくらいだ。この位の片づけなら、妹子に任してしまおう。だって、あいつは私の命令には逆らえない宿命にあるのだから。
でも、ムシャクシャとか蟠りは消えない。如何したものか。
自分でばら撒いた書類なのに、またしてもそれらを見てると憤りを感じてくる。あー、暴れてみたいとかなんて思ったりもしている。摂政だから少しの我儘も許してくれる……筈が無い。
あー、早く誰か来てくれっ!
そう神様に祈っているとき、扉が静かに開けられた。
「失礼しまー……」
扉を開けた主とぱっちりと瞳があう。私の格好は大層おかしいもので、書類の上で跪いており、両手を組んでいるというなんとも滑稽な格好である。しかも、その主とやらは妹子。あ、やばいと思ったのも束の間、鋭い右ストレートが飛んできた。
これまた妹子で、突っ込みもこの格好に対してではなく、部屋の汚さだった。
「なんで書類ぶちまけとんじゃこらぁああああああっ!」
「おひつっ!」
今日も今日とて痛いし、怖いし、口が悪すぎる。
嗚呼、口からまた鉄の味。
苦くて苦くて、でも、暖かい。妹子の右ストレートなんか落ち着くし。
はっ、若しかして私ってマゾ?
「すみません、太子。勢い余って右ストレートぶちかましちゃいました。でも、太子が悪いんですよ。こんなに書類ぶちまけて」
久しぶりに見る、赤いノースリーブのジャージ。何時も仕事中は正装だというのに今日はどんな気変わりなのだろう。私はそればかり気になって仕方なかった。
「……話聞いてますか」
「あ、うん、聞いてる聞いてる」
「まあ、いいです。金輪際こんなことなければ」
すまし顔をしているが、何だかんだいって片づけを手伝ってくれている。甘いんやらやさしいやら、分からないがまあ、助かる。
「あ、そうです。太子」
「なんだ芋」
「芋じゃないですってば! ……気を取り直して、お客さんが来てましたよ」
「え、美人さん?」
眼を輝かせて聞くと、妹子は複雑そうな顔をして「ええ」と低くつぶやいた。そして、また無理やり笑みを浮かべると、書類にまた手を伸ばした。
「太子のこと、お気に入りらしいですよ。一目あいたいと仰られておりました」
「へー。で?」
「で? って……お会いにならないのですか?」
「ああ。だって、私にはちゃんと妹子がいるしっ」
屈託ない笑顔を浮かべ(たつもり)、私はそのまま後ろから抱きついた。寂しそうな背中と下がっている肩を見ていると、なんとも抱きつきたい衝動に駆られたのだ。殴られるのは承知の上だ。しかし、私のせいで泣かせてしまったのなら償うしかない。
殴られるかと思い身構えていると、彼女の右手は私の左手に触れた。
「有難うございます……」
「いも……」
そのままキスをしようとした。すると、彼女は行き成り右アッパーを食らわせてきた。
「調子に乗るなっ! このアワビがあああああああああっ!」
「くぬぎいいいいいいいいいいいっ!」
嗚呼、痛いけど、痛いけど、これが私の日常。
「ツマラナイ」……よりは数十倍マシ。かな?
fin
甘々たいも。
変わらずに妹子にょたいかで。
胸を触らせちゃう予定だったのですが……ヌハハってことでやめました。
太子は美人さんより可愛い子が好きだったら良い。
妹子みたいなね☆
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