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追憶
「俺って死んだのかなー」
一人の青年が暗闇の中で呟く。それを呟いた途端、闇色だった世界が行き成り神々しく光だし、一人の真っ白いワンピースを着た少女が現れた。年端は僅か十三歳くらいであろう。髪の毛は腰ほどまで伸ばしたロングの漆黒色。顔立ちは一見幼く見えるが、しかと見ると凛々しく大人のような顔つきをしている。
青年は全く驚かず、そのまま微笑んだ。そして、彼女の艶が掛かった頬に優しく触れた。すると、先程までびくともしなかった少女がぴしりと彼の掌を叩いた。
「何するのよ。初対面の人にそうする? 普通しないわよ。全く常識知らずだわ」
「そ、そんならお前だってフツー叩かないだろ?」
意味の無い喧騒が長々と続く。少女は青年の身内に似ていたらしく、想い出が蘇ってきて彼女の頬に触れてしまったと言うわけである。それでも少女は納得しないらしく、その可愛らしい小さな頬を膨らませていた。
しょうがないので青年は「すまん」と謝ることにした。すると、少女は上機嫌になったらしくふふんと鼻を鳴らして「それでいいのよ」と偉そうに仁王立ちをする。
目を細めるほどの光もいつの間にか慣れてきたようで青年は眉を顰めることをしなくなった。その時、少女が重たい唇を開いた。
「分かっているようだけどあたしは貴方の魂を喰らった死神。つーことで、あんたはもう下界には存在しないことになったの。お分かり?」
「あー、分かった。つまり、お前が無断で俺の命を喰らったってことだな」
「物分りが早いじゃない」
またもや勝ち誇ったように鼻を鳴らした少女に憤りを感じたのか彼は拳を少女に一発食らわせた。不意打ちの攻撃に目を張り、目頭に涙を溜めて上目遣いに青年を睨みつけた。そのアングルはどことなく可愛く、青年は油断してしまった。其れを見計らってか少女は彼の頭を巨大なハリセンで殴っていた。そのハリセンは何故か物凄い攻撃力を持っていて、丈夫と下界でも自慢していた彼でさえも頭に瘤が出来るほどである。
頭を抱え込んでいた青年を見かねた少女ははあっと深く溜め息をついて、そこに手を翳した。すると、瘤は段々と消えていき痛みは消え失せた。
「な、なんだその魔法」
「魔法じゃない。治癒術よ。ちゃんとあんたでも出来るの。普通の人間でもやれば出来るものよ」
人差し指を立てて、ゆっくりと言い放つ。その冷徹さはとてもじゃないが恐ろしい。青年は背筋をぞっと震わせて、先程までの可憐な少女と重ね合わせる。若しかして、死神と言うのは本当なのかもしれない、と思い始めてきた。
そんな矢先のこと、少女はもっと冷徹に呟いた。
「あんた、あたしのために死神になりなさい。そうしないと、あたしっていう存在がなくなっちゃうの。名前は?」
青年は拒否しようと思った。しかし、口が勝手に動いてしまう。手で覆い隠そうとしても体の自由が利かない。
「高浪……ユウタ」
「あたしの名前は、柊カナコ。宜しくね」
それから、彼の記憶は途切れた。
彼が瞳を開けるのは、また暗闇の中。
とてつもなく詰まらないSS。
死神を題材にして書きたくてづらづらと書いたもの。
ノート掘り出してたら無事に発見☆
だけど、没。
一人の青年が暗闇の中で呟く。それを呟いた途端、闇色だった世界が行き成り神々しく光だし、一人の真っ白いワンピースを着た少女が現れた。年端は僅か十三歳くらいであろう。髪の毛は腰ほどまで伸ばしたロングの漆黒色。顔立ちは一見幼く見えるが、しかと見ると凛々しく大人のような顔つきをしている。
青年は全く驚かず、そのまま微笑んだ。そして、彼女の艶が掛かった頬に優しく触れた。すると、先程までびくともしなかった少女がぴしりと彼の掌を叩いた。
「何するのよ。初対面の人にそうする? 普通しないわよ。全く常識知らずだわ」
「そ、そんならお前だってフツー叩かないだろ?」
意味の無い喧騒が長々と続く。少女は青年の身内に似ていたらしく、想い出が蘇ってきて彼女の頬に触れてしまったと言うわけである。それでも少女は納得しないらしく、その可愛らしい小さな頬を膨らませていた。
しょうがないので青年は「すまん」と謝ることにした。すると、少女は上機嫌になったらしくふふんと鼻を鳴らして「それでいいのよ」と偉そうに仁王立ちをする。
目を細めるほどの光もいつの間にか慣れてきたようで青年は眉を顰めることをしなくなった。その時、少女が重たい唇を開いた。
「分かっているようだけどあたしは貴方の魂を喰らった死神。つーことで、あんたはもう下界には存在しないことになったの。お分かり?」
「あー、分かった。つまり、お前が無断で俺の命を喰らったってことだな」
「物分りが早いじゃない」
またもや勝ち誇ったように鼻を鳴らした少女に憤りを感じたのか彼は拳を少女に一発食らわせた。不意打ちの攻撃に目を張り、目頭に涙を溜めて上目遣いに青年を睨みつけた。そのアングルはどことなく可愛く、青年は油断してしまった。其れを見計らってか少女は彼の頭を巨大なハリセンで殴っていた。そのハリセンは何故か物凄い攻撃力を持っていて、丈夫と下界でも自慢していた彼でさえも頭に瘤が出来るほどである。
頭を抱え込んでいた青年を見かねた少女ははあっと深く溜め息をついて、そこに手を翳した。すると、瘤は段々と消えていき痛みは消え失せた。
「な、なんだその魔法」
「魔法じゃない。治癒術よ。ちゃんとあんたでも出来るの。普通の人間でもやれば出来るものよ」
人差し指を立てて、ゆっくりと言い放つ。その冷徹さはとてもじゃないが恐ろしい。青年は背筋をぞっと震わせて、先程までの可憐な少女と重ね合わせる。若しかして、死神と言うのは本当なのかもしれない、と思い始めてきた。
そんな矢先のこと、少女はもっと冷徹に呟いた。
「あんた、あたしのために死神になりなさい。そうしないと、あたしっていう存在がなくなっちゃうの。名前は?」
青年は拒否しようと思った。しかし、口が勝手に動いてしまう。手で覆い隠そうとしても体の自由が利かない。
「高浪……ユウタ」
「あたしの名前は、柊カナコ。宜しくね」
それから、彼の記憶は途切れた。
彼が瞳を開けるのは、また暗闇の中。
とてつもなく詰まらないSS。
死神を題材にして書きたくてづらづらと書いたもの。
ノート掘り出してたら無事に発見☆
だけど、没。
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