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キライよキライきらい嫌いキライ
「あんたなんてだいっきらいなんだからねっ!」
彼女の怒声が鳴り響く。嗚呼、煩いったらありゃしない。僕は最初から愛なんて求めていなかった。愛して、なんて一言も言ってないし、愛してる、なんてことも一言も言っていない。すべては彼女の勘違いから始まったんだ。それなのに、どうして彼女はこんなにも髪を逆立て怒り狂っているのだろうか。謎だ。
だから、僕は「なんで?」と訊ねた。すると、彼女はまた金切り声をあげて怒り狂う。
「うるさいうるさいうるさいっ! あんたなんか大嫌い!」
嗚呼、まるで君は壊れた人形のようだ。醜く儚く、そして脆い。すぐに涙を浮かべる。すぐにそのツインテールの金色の髪を揺さぶる。嗚呼、まるで惨めだ。僕は久しぶりに彼女の爛れた肌に触ろうとした。すると、彼女はぴしゃりとその手を叩き払った。
「さわらないでさわらないでさわらないで……」
まただ。また、こうして僕を拒絶する。勝手に愛していたのは君のほうなのに。僕は愛して、など、いない、のに。
嗚呼、こんなに涙が毀れるのはどうしてだろう。何かをいおうにも口が動かない。君の肌はどんどん爛れていく。嗚呼、とても醜い。あの可愛らしい顔はどこにいってしまったのだろう。大きな瞳に可愛らしい口と鼻。嗚呼、今すぐにでも取り替えたいよ。
「キライよキライきらい嫌いキライ」
「あんたなんてだいっきらい」
「もう近くに寄ってこないで」
「静かに壊してよ」
「もう、あたしを……」
君は君は、僕の可愛い人形。
たぶん、愛していたのは僕だった。
だから、今はこうして抱きしめているのだと思う。
例え爛れていたとしても君は僕のものだから。
勝手に嫌われても、僕が勝手に愛してあげる。
「すき、」
嗚呼、どうしても嫌がるようなのならば、この手でいつか葬り去ってやろう。
君の肌はひどく爛れている。だからなんだというのだろう。
ホラ、皮をひとつ剥くと新しい肌が。それと同時に君の金切り声。だけど、可愛くなってるよ。ほらほらほら……。
「もうすぐで、元に戻るよ」
そしたら、また、屈託の無い笑みを浮かべて遊ぼうね。
fin
とりあえず、意味のわからないものを書いてみたかっただけです。
最初はツンデレ少女に悩む少年の図、というほのぼの作品を書きたかったんです。
でも、どうしてか鏡音姉弟のせいで(関係ない)
猟奇的なものっていうのがイマイチ書けない。
そして、おなかすいた。
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