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喧騒
「レンの馬鹿っ!」
「リンが悪いんだろっ」
「……もう知らないっ」
彼女は離れていく。俺の元から、そうやっていつも、何時の日も……。
喧嘩の原因は本当に些細なことだった。リンがバカイトにベタベタして、俺がヤキモチ妬いて「尻軽女」と呟いた途端、リンは怒った。そんなことを思い出して、絶望に打ちひしがれていると、とんと肩を押された。少しばかり憤りを感じていたし驚いたので思わず牙を剥いてしまった。
「あぁ?」
「……あたしにそんなこと言っていいと思ってんの? レン君?」
最悪なことに、其れは酔いに酔い捲ったメイコ姉ちゃんだった。この人は時には破廉恥なこと。もしくは殴ってきたりする。酒の嫌な臭いが俺の鼻を劈く。手を振り上げられる。嗚呼、今日はビンタか。そう思って瞳を瞑ったとき、急にメイコ姉ちゃんは真剣な顔になってがっしりと俺の肩に腕を添えた。
「リンと喧嘩しちゃった?」
「……」
「其の顔は図星かあ。さっき、リン、泣いてどっか行っちゃったわよ」
「知らない。あいつがいなくても一人で何でも出来るし」
腕を振り払い、俺はとぼとぼと歩く。けれど、メイコ姉ちゃんは諦め切れないらしくついてくる。だから女って苦手なんだ。ミクもメイコ姉ちゃんも……リンも。何を考えてるのか分からない。行き成り、笑顔になったり泣きそうになったり怒ったり。気まぐれすぎる。カイトだって困ってるはずだ。そんな女に沢山沢山、愛されて。
「レンの気持ちも分かるけど、先ずは謝ってきな。リンはレンしか頭にないの」
「え……?」
「もー言わない。この、鈍感ブラザーズめっ」
しかし、メイコ姉ちゃんは耳元でささやいてくれた。「頑張れ」と。ふと後ろを振り返ると親指を立てウインクをしている。ふっと俺は笑うと、其の儘走り出した。
俺自身、自分が悪いとは思っていない。リンが全て悪いと思う。けど、俺だって男だし、彼女の片割れだし、それに……。あいつのこと、好きだし。怒ってる顔も泣いてる顔も確かに可愛いけど、笑顔の方が大好きだから。
だから、俺は謝らなきゃいけないんだ。
すすり泣く声が聞こえる。俺たちのフォルダから聞こえてくる。恐らく、ベッドの上で泣いているのだろう。居た堪れない気持ちになったが、優しく扉を叩いた。すると、鼻声の透き通った声が聞こえてくる。
「リンは泣いてるのであとにしてくださ……」
「開けろよ。てか、開けてもいい」
「どっか行ってよ! リンのこと、どーでもいいんでしょっ」
俺と言うことに気づいたリンは言葉に一つ一つ棘をくわえて突き放す。一瞬、怖気づきそうになったが、負けじとメイコ姉ちゃんの励ましの言葉を思い出し、言葉を続ける。
「どうでもよくない。俺、やっぱりお前がいなきゃ何も出来ないんだよ」
「……」
「だからさ、御免」
「何も分かってない!」
声が近づいてくる。若しかしたら、いきなり扉が開いてビンタされるかもしれないし、何か投げつけられるかもしれない。でも、引き戻すことは出来なかった。だって本当に俺は、彼女がいなければ何も出来ない役立たずだし、彼女に離れることが出来ない弱虫だ。
予想通りに扉が開く。腫れぼったい瞳をした不機嫌なリンの表情。絹糸のような金色の髪(って俺もだけど)も乱れている。これは絶対ビンタされる、そう思って目を瞑ったとき、唇にやわらかい感触を感じた。呆然と立ち尽くしているとリンが急に抱きついてきた。
「好きだよ、って言ってほしかっただけなの!」
「リン……好きだよ」
俺も抱きしめ返す。こんなに泣きじゃくってるリンは久しぶりだ。前のマスターに捨てられたとき、二人でわんわん泣いたような気がする。それにしても、俺は精神が強くなったものだ。多分、リンがこうして隣にいてくれるからだけど。
そして、俺の方からキスを交わす。今度は一瞬だけじゃなくてゆっくりと時間を掛けて。
.
「そいえばさ、リンちゃんとレン君って双子だよね」
「そうだね。僕とミクは兄妹だけど」
「それは言ってないけど……。あの二人ってどこまで行ってるんだろう?」
「……キス、とか」
「……お兄ちゃん……そんなわけ無いじゃーん」
「そ、そうだよねー。は、はははは」
二人ののんきな笑い声が響く。けれども、カイトは強ち間違えではないと本能で思っていたに違いない。
其の頃のレンは、くしゃみをしていた。
「あー、風邪引いたのか……。これからリンと一緒にレコーディングだっていうのに。ま、いつも鼻声って言われてるし。平気だろ」
と言いつつも、体を布団で温めていたとさ。
fin
レンリン&カイミク。
途中からキャラ崩壊(苦笑)
ちなみに、サーフィスの「さあ!」を聞いて思いついたSSS。
最後らへんはいわずとも知れた、リン・レンの名曲の「リンリンシグナル」
「好きだって言って欲しいだけなの」がサビのまんまwwwww
あと、「さあ!」の部分は喧嘩の所からレンの台詞の「お前がいなきゃ何も出来ない」っていう下り。
「何でも自分で出来るって」っていう冒頭の部分を持ってきますた。
やっぱり、さあ!はいい曲だよ。
どんな漫画でも、CPでも持っていけるねwwwwwwww
次はゼロしいに挑戦してみよう>さぁ!
「リンが悪いんだろっ」
「……もう知らないっ」
彼女は離れていく。俺の元から、そうやっていつも、何時の日も……。
喧嘩の原因は本当に些細なことだった。リンがバカイトにベタベタして、俺がヤキモチ妬いて「尻軽女」と呟いた途端、リンは怒った。そんなことを思い出して、絶望に打ちひしがれていると、とんと肩を押された。少しばかり憤りを感じていたし驚いたので思わず牙を剥いてしまった。
「あぁ?」
「……あたしにそんなこと言っていいと思ってんの? レン君?」
最悪なことに、其れは酔いに酔い捲ったメイコ姉ちゃんだった。この人は時には破廉恥なこと。もしくは殴ってきたりする。酒の嫌な臭いが俺の鼻を劈く。手を振り上げられる。嗚呼、今日はビンタか。そう思って瞳を瞑ったとき、急にメイコ姉ちゃんは真剣な顔になってがっしりと俺の肩に腕を添えた。
「リンと喧嘩しちゃった?」
「……」
「其の顔は図星かあ。さっき、リン、泣いてどっか行っちゃったわよ」
「知らない。あいつがいなくても一人で何でも出来るし」
腕を振り払い、俺はとぼとぼと歩く。けれど、メイコ姉ちゃんは諦め切れないらしくついてくる。だから女って苦手なんだ。ミクもメイコ姉ちゃんも……リンも。何を考えてるのか分からない。行き成り、笑顔になったり泣きそうになったり怒ったり。気まぐれすぎる。カイトだって困ってるはずだ。そんな女に沢山沢山、愛されて。
「レンの気持ちも分かるけど、先ずは謝ってきな。リンはレンしか頭にないの」
「え……?」
「もー言わない。この、鈍感ブラザーズめっ」
しかし、メイコ姉ちゃんは耳元でささやいてくれた。「頑張れ」と。ふと後ろを振り返ると親指を立てウインクをしている。ふっと俺は笑うと、其の儘走り出した。
俺自身、自分が悪いとは思っていない。リンが全て悪いと思う。けど、俺だって男だし、彼女の片割れだし、それに……。あいつのこと、好きだし。怒ってる顔も泣いてる顔も確かに可愛いけど、笑顔の方が大好きだから。
だから、俺は謝らなきゃいけないんだ。
すすり泣く声が聞こえる。俺たちのフォルダから聞こえてくる。恐らく、ベッドの上で泣いているのだろう。居た堪れない気持ちになったが、優しく扉を叩いた。すると、鼻声の透き通った声が聞こえてくる。
「リンは泣いてるのであとにしてくださ……」
「開けろよ。てか、開けてもいい」
「どっか行ってよ! リンのこと、どーでもいいんでしょっ」
俺と言うことに気づいたリンは言葉に一つ一つ棘をくわえて突き放す。一瞬、怖気づきそうになったが、負けじとメイコ姉ちゃんの励ましの言葉を思い出し、言葉を続ける。
「どうでもよくない。俺、やっぱりお前がいなきゃ何も出来ないんだよ」
「……」
「だからさ、御免」
「何も分かってない!」
声が近づいてくる。若しかしたら、いきなり扉が開いてビンタされるかもしれないし、何か投げつけられるかもしれない。でも、引き戻すことは出来なかった。だって本当に俺は、彼女がいなければ何も出来ない役立たずだし、彼女に離れることが出来ない弱虫だ。
予想通りに扉が開く。腫れぼったい瞳をした不機嫌なリンの表情。絹糸のような金色の髪(って俺もだけど)も乱れている。これは絶対ビンタされる、そう思って目を瞑ったとき、唇にやわらかい感触を感じた。呆然と立ち尽くしているとリンが急に抱きついてきた。
「好きだよ、って言ってほしかっただけなの!」
「リン……好きだよ」
俺も抱きしめ返す。こんなに泣きじゃくってるリンは久しぶりだ。前のマスターに捨てられたとき、二人でわんわん泣いたような気がする。それにしても、俺は精神が強くなったものだ。多分、リンがこうして隣にいてくれるからだけど。
そして、俺の方からキスを交わす。今度は一瞬だけじゃなくてゆっくりと時間を掛けて。
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「そいえばさ、リンちゃんとレン君って双子だよね」
「そうだね。僕とミクは兄妹だけど」
「それは言ってないけど……。あの二人ってどこまで行ってるんだろう?」
「……キス、とか」
「……お兄ちゃん……そんなわけ無いじゃーん」
「そ、そうだよねー。は、はははは」
二人ののんきな笑い声が響く。けれども、カイトは強ち間違えではないと本能で思っていたに違いない。
其の頃のレンは、くしゃみをしていた。
「あー、風邪引いたのか……。これからリンと一緒にレコーディングだっていうのに。ま、いつも鼻声って言われてるし。平気だろ」
と言いつつも、体を布団で温めていたとさ。
fin
レンリン&カイミク。
途中からキャラ崩壊(苦笑)
ちなみに、サーフィスの「さあ!」を聞いて思いついたSSS。
最後らへんはいわずとも知れた、リン・レンの名曲の「リンリンシグナル」
「好きだって言って欲しいだけなの」がサビのまんまwwwww
あと、「さあ!」の部分は喧嘩の所からレンの台詞の「お前がいなきゃ何も出来ない」っていう下り。
「何でも自分で出来るって」っていう冒頭の部分を持ってきますた。
やっぱり、さあ!はいい曲だよ。
どんな漫画でも、CPでも持っていけるねwwwwwwww
次はゼロしいに挑戦してみよう>さぁ!
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