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レンデレラ
「え、私が母親役? ちょ、全然あってないじゃない、私はもっと可憐で……」
「めーちゃんが一番ハマり役だと思うy「だまらっしゃいっ!」
「あー、お兄ちゃん、私魔法使い……って、きゃーっ!」
「ねえ、レンレン、何役だったあ?」
「……お前は」
「王子様役ー。シンデレラ役って誰なんだろー」
「……俺」
「え、レンが、シンデレラ? ちょ、笑えるっ」
「う、うるさいっ! 俺だってやりたくないんだからなっ。つか、はずかし……」
「拙者が一番……ぐすっ」
*そんなこんなで始まります。
と、ここで注意。
ボカロで演劇です。なので、かるーく女装表現ありなので注意してください。
レンリン前提のリンレンです。大臣? アカイトにでもまかせとk(氏ね
それでは、本当に始まりです。
女装が苦手、ボカロが嫌、キャラ崩壊しまくり(上記の通り)、シンデレラパロなので、ご了承ください。
昔々、とあるお屋敷に可愛らしい女の子が住んでいました。名はレンデレラといいます。母が一人、姉が二人という家族構成です。幸せに暮らしている……感じでしたが、なんともこの三人が意地悪で、いつもお屋敷の掃除を命じられていました。何故かと申しますと、レンデレラはどの真珠よりも美しかったからで御座います。そして、今日も母君に掃除を命じられました。そう、大変広い姉妹達の部屋と母の部屋です。
「レンデレラ! 今日はここを掃除しなさいっ」
断れないレンデレラは、引きつり笑いをしながら「ええ。わかりました、お母様」とわざとらしく言い放ちました。灰色の質素なワンピースに、白いエプロン。まるで其れはメイドのような風貌です。金色の絹糸のような髪も一つに束ねており、清潔感溢れております。黙っていれば可愛いのですが、性格は百八十度もひん曲がっておりますので、いつかあの三人に仕返ししてやろうと目論んでいます。
仕方が無いのでしょうがなくたらたらと掃除をしていると急に赤い髪の母がずかずかと入り込んできて、さっと近くの棚を指でふき取りました。埃ひとつ残っていないのですが、気に食わないのか母は彼女を怒鳴り散らしました。
「なに、この手抜きさっ。ていうか、なんでそんなふてくされてるのよ、ええ?」
「あー、すみません、お母様。すぐに掃除しなおしますわ。ほっほっほ」
適当な棒読み加減に隣でひっそりと佇んでいる、奇妙な化粧をしている青い髪をした体格の良い姉は少しだけ噴出してしまいました。すると、母の怒りの矛先はレンデレラはなく、その姉に向きました。
「ちょっと、カイト……じゃなくて、カイコっ! 何をくすくすと笑っているの?」
その迫力満点の顔にカイト……じゃなくてカイコは身を震わせ、「何でもありません」と震えながら言いました。さすが、血の繋がった親子です。母はそこで見逃す、はずなのですが、そんなことこんな暴力的な母に出来るわけがありません。先程よりも怒鳴り散らし理不尽なことを言い始めます。いつもの病気みたいなものなので、レンデレラは呆然としている紫色の髪を一つに束ねている姉に話しかけます。
「毎日大変ですね。お姉さま方」
「そうで……じゃなくて、そうですわ。ほっほっほ」
慣れない引きつり笑いに、がくこはレンデレラよりも棒読みになってしまいます。くすくすとレンデレラが笑っているとついに母は正気に戻ったらしく、また怒りの矛先はレンデレラに向きました。カイコは勿論、半死に状態で結構ヤバめな状態というのは気にしない方向で。
「今日はお城で舞踏会なの。今から行くから、お留守番宜しく頼むわよ、レンデレラっ! さあ、行くわよ」
カイコは引きずられながら、がくこはレンデレラのほうを見ながらとぼとぼと。しかし、彼女は気にしていない様子で静かに手を振りました。扉が重くがしゃん、と閉じられるとレンデレラは早速箒を両手に頑張ります。
舞踏会、といったら王子様の妃を決める大事な儀式ともなります。レンデレラはなぜか、その王子様の顔を知っておりました。向日葵のような無邪気な笑顔、無垢で何も知らないようなぱっちりとした瞳。誰にも負けないような魅力を持っている男の子。思い出すのは、王子様の笑顔ばかりです。レンデレラはいつの間にか、窓の方に身を寄せていました。聳え立つ白いお城はまるで王子様を連想させるような、元気でパワフルな雰囲気を醸し出しています。
「はあ……王子とやらに会いたい……」
「そ、その願いしかと聞きましたよ、レン君……じゃなくて、レンデレラっ」
おどおどした震えた声。恐らく、緊張しているのでしょう。現れた魔法使いは不気味と言うよりも可愛らしく、なぜか頬を真っ赤に染め上げていました。しかも、杖は葱という不思議仕様で、レンデレラは少しだけ不安を覚えました。魔法使いミクというアニメが作られそうな勢いです。
「えと、貴方は綺麗になって、行きたいのですね。舞踏会に」
「声が震えてますよ、魔法使いサン」
「す、すみませ……。は、早く帰りたいので、鼠とカボチャとその他もろもろ持ってきてください、お願いします……」
「はいはい」
今にも泣きそうな魔法使いの言うとおりにしました。言われたとおりに、色々な野菜や動物を手づかみで持ってきました。中には汚らしいものもあり、魔法使いはあたふたしながら「き、汚いよっ」と言います。しかし、レンデレラは落ち着いた様子で「大丈夫ですよ、てか、あんたがもってこいって言っただろ」と途中から汚い言葉遣いになっています。また、泣きそうになった魔法使いにレンデレラはもう一度優しく接しました。
「それじゃ、魔法お願い致します」
「は、はい。泣いたらダメ、泣いたらお兄ちゃんに笑われちゃう。うん、大丈夫っ。それでは、びびでばびでぶーっ」
綺麗なハーモニーを奏でながら呪文をかけていきます。流石、歌姫といったところでしょう。レンデレラは身も心も清らかになっていくような感じがしました。気づいたら、外にでており衣装は豪華なドレスになっていました。カボチャの馬車も、何もかも全て忠実に再現されています。成功、その二文字が魔法使いの頭に過ぎりました。
「よかった……それでは、楽しい一夜を」
「ミク……意味を知っていってるのかああああっ!」
ため息をついた途端、馬車は急激に走り出しました。魔法使いの綺麗な叫び声が夜の闇に木霊します。
「十二時になったら魔法解けるんで、それまでに帰ってきてくださいねーっ。それで、硝子の靴を落とすの忘れずに」
消えたかと思うと、お城はもう目の前で急にカボチャの馬車は止まりました。今にも戻しそうな勢いで髪のセットも少しだけ乱れましたが、それ程変わっていないのでレンデレラは着慣れていないドレスの裾を持ちながら階段を一段一段、あがっていきます。純白の階段をあがっていく度、心拍数もあがっていきます。運動をしているのもありますが、全ては王子様の美貌のせい、らしいです。
.
「あー、早く始まらないの? ね、大臣、大臣。暇だよ、暇」
「もう少しです……あ、集まったらしいですね。今夜こそ決めてくださいよ、妃を」
「判ってるって。どーんと任しておいてよ」
「心配だ……」
「ああ? なんか言った?」
「いえ、何でも。それでは、王子のおなーりいいいいい」
.
周りの視線は一気にレンデレラに向けられています。王子様が現れた途端、レンデレラが姿を現したのもありますが、一番がその美貌です。息を荒げ、扉を開けたレンデレラに王子様は釘つげになってしまいました。レンデレラは、恐る恐る顔をあげました。すると、王子様と視線がばっちりとあいました。頬が高潮していくのがわかります。視線をはずしきょろきょろと周りを見渡すと、母と姉の姿があります。母は見蕩れているようで、フォークを落としています。姉二人さえも、レンデレラとは気づいていないでしょう。そして、周りにいる者達も。
王子様はつかつかと引き寄せられるかのように、挙動不審なレンデレラに近づいていきます。レンデレラが気づいたのは、王子様が跪いて掌に口付けをしている最中でした。
「美しい……。私と一緒に踊ってくれませんか?」
自分と同じような背丈に、体格。顔もまるで重ね合わせたよう。しかし、レンデレラは今までに見せたことの無いような笑顔で、「はい」と呟きました。すると、軽快なワルツが流れ出しました。何処かで聞いたようなメロディーに、レンデレラは歌が頭の中に流れます。周りで見蕩れていた者達も、次々と踊り始めます。嫉妬をしてハンカチを加えている者も少人数になってきた頃のことです。
「お名前を教えて頂けませんか?」
王子様の突然の問いにレンデレラは困惑しました。口を開こうとすると、十一時三十分の鐘が王宮全体に流れます。綺麗なメロディーに酔いしれていましたが、一分経過したあと、レンデレラははっとしました。
--十二時になったら魔法解けるんで、それまでに帰ってきてくださいねーっ。それで、硝子の靴を落とすの忘れずに
無責任な魔法使いの笑顔と声が脳内でリピートされます。うげという悲鳴をあげて、レンデレラは即座に出口へと走り出しました。王子様は驚きましたが、その後を必死に追いかけます。
「ど、どうしたのですっ」
「御免なさい、魔法は解けてしまうのです、だから……お別れです」
レンデレラは無理やり笑みを浮かべると、故意に硝子の靴を落としました。それは魔法使いの忠告だからです。賢く冷静なレンデレラは判っておりました。硝子の靴を落とすと言うのは、王子様に自分の後を追ってくれといっているようなもの。鈍感な者でも、大臣に命を下します。「この靴にあう淑女を探してくれ」と……。
王子様は落とした靴を拾い上げ、大きな声で「落ちましたよー」と叫びました。しかし、もうレンデレラは魔法が解けてしまった後です。引き戻すことなんて出来ません。面白いのでレンデレラは、このまま話が聞こえる位置で潜んでいることにしました。すると、計画通り大臣が後を追ってきています。
「王子……その靴は?」
「……さあ。誰かが落としたんだよ。きっと。あ、そだ。探して欲しい人がいるんだよ」
「誰で御座いましょうか」
「レンデレラ。可愛くて、リンと一緒の顔をした、女の子だよ」
.
それから、一ヶ月の歳月が経ちました。家来たちは、一軒一軒見て回りましたが、何処にもレンデレラという少女はいません。手がかりも無く途方にくれていたある日、大臣は一人のお婆さんの家に行き、一つの情報を手にしました。
「あそこの家の娘さんだよ」
礼を言うと、すぐさま城に戻り、その家来は大臣に報告し直接王子様に申し出ることに致しました。すると、王子様はにんまりと微笑を浮かべて「それだ、それ。うん、だから、リンも連れてってよ。いいでしょ、大臣」と足をばたつかせながら言いました。威厳がないというのはこのことでしょう。大臣は仕方なく了承をしました。
そして、家来と共にレンデレラの家を訪問しました。
すると、でてきたのは緑の髪をした女です。王子様は首を横に振り裾を引っ張りました。その姿はまるで女の子です。
「レンデレラはいらっしゃいますでしょうか」
「レンデレラ……ですか」
と呟くと、行き成り赤い髪の女が息を切らして出てきました。
「れ、レンデレラという娘は家には……」
「何でしょうか」
呼ばれてとびでて、レンデレラちゃんとはこのことでしょう。まるでタイミングを見計らったかのようにレンデレラはぬくっとでてきました。
「あ、貴方掃除は……」
「お姉さまに任せておきましたわ」
優雅に言い放つと、レンデレラはみすぼらしい姿でしたが、一気に光を放ちました。王子様もそれに気づいたのか、そそくさと近づいていきます。まるで王子様が女の子で、レンデレラが男の子のような、そんな感じです。
暫しの間、見詰め合っていると急に王子様は耐え切れなくなったのか抱きついてきました。レンデレラはしかと抱き留めています。
「レンー。うわああああっ、もう探したんだからねぇええええ」
「御免、リン……。結婚、しようか」
「当たり前でしょおおおおおっ。もう、遅いんだからああああっ」
行き成りの超展開に一同、呆然としております。
太陽がさんさん降り注ぐ中、可愛らしい二人は無事に結婚いたしましたとさ。まるでそれは、昔からの兄妹かのような、そんな微笑ましい雰囲気で御座いましたとさ。
めでたし、めでたし。
「なんだよ、この糞台本……。面白くねぇ……」
「レン、ぶつぶつ言わないで。ほら、ワルツの練習よっ」
「そんなこと言ったって、ダンスを描写するところ一回もなかったじゃないかよ」
「……」
ぐはっ、確かにそうだorz
*
「なーんで、私の出番が少ないのよーっ」
「ぐはあ、めーちゃん……イタイデス……」
「しかも、意地悪な母親役って……ないっつーのーっ」
「僕なんて女装したんだから……あーあ、我ながら気持ち悪かった」
*
「ね、ねえ、お兄ちゃん。私の魔法、如何だった?」
「え、あーうん」(←見てないww)「よかったと思うよ」
「え、ホントっ。あ、歌は、歌?」
「えっとねー、綺麗だったよ」(←聞いてないwww)
「ほんとーっ! お兄ちゃん大好きっ」
全くミクはデレすぎて困る。
*アトガキ
謝罪では表せません。
突発すぎるネタで本当に申し訳御座いません。
あー、なんかなむいwww
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